第20話 「アンカーレッこ失敗談」 2003.Jan.23
アンカーレッコ時のトラブルは多いと思う。
マリーナからマリーナへのクルージングやレースが多い人は、アンカー を打つチャンスは殆ど無いので、経験が無い故の失敗は多い。 自分達もヨットを覚えて未だ日が浅い時期に、アンカーレッコ時の失敗がある。
瀬戸大橋のライトアップが見える本島での出来事。
これは余談だが、本島周辺の塩飽諸島の水夫達は、勝海舟や福 沢諭吉等が乗り込んだ咸臨丸の操船をして太平洋横断の陰の力と して活躍した。
さて、ここ本島と南隣の牛島との間は狭く、潮流も速い。
小豆島のクルージングの帰路、休むため立ち寄ったが夜になって しまい、狭いが淀みのある湾の中ほどで停泊する事にした。
バウに立った友人にアンカーレッコを指示した。 彼は指示どおり、アンカーを海へ放り投げた。
様子をみ見ていると緩やかだが確かにヨットは流されている。
「ヨット側のロープもちゃんとバウのビットへ結んであるか?」と彼に確認を取ると、返ってきた言葉に眠気も吹っ飛んだ。
「ロープが無い!」
「アンカーレッコ!」の指示どおりに彼はアンカーとロープを海へ向かって勢いをつけて放り投げた。
彼の唯一のミスは、アンカーラインのもう一方の端をヨットに結んで居なかった事である。
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