(2000.6/11広島出帆)

 

8月16日

グレッシャ

ーベイから

 皆さんお元気ですか。 私達はやっと目的の場所に着いて、今から楽しんで色々なものを見て廻ろう、、、と いう感じです。

 ここに着いた日には、とてもきれいなオーロラが見れました。そして 今は、氷河の前にアンカリングして居ます。今日は久

々の雨と濃霧なので、ゆっくり とメールを書く事にしました。

 まだ鯨やシャチ等はあまり見ていないので、近いうちに晴れたら見に行こうと思っています。氷河は、とても青く感激です。

やっとここま で来れた、、、という感じです。  写真だと、どうしても色が出てくれないので残念です。    ここで後何日か

ゆっくりして、インサイドパッセージを南下しカナダに向かいたいと思います。

 ここグレーシャーべイでは電話回線は使えそうにありませんので、メールを遅れるのはいつになるか分りませんが、いつ

でも遅れるように、写真等をとってパソコンに入れておきたいと思います。(もしかしたらテレビ局の大西さんから先に写真が

届く かもしれませんね。)

 先日、大西さんよりふるさと宅配便を受け取りました。  梶田先生 優美も夏休み帳を喜んで(?)受け取っていました。

あとプリントも色々と一緒に送って下さりありがとうございます。小学校の様子が分り、とても栗谷を近くに感じる事ができま

した。  能美校長先生 ふくろうのお守り等ありがとうございました。優美と碧2人でわけていました。  坂井さんからも地図

のソフト、出港の時の写真等お頂きました。 ありがとうございました。                     優子

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 『原野の入り江』

 御無沙汰しております。皆さんいかがお過ごしでしょうか?

 ようやく、北太平洋をひとまず終えて、今回の目的地である、インサイドパッセージ の入り口に入る事ができました。  今

の一番の気持ちとしては、ここまで無事に来れてほんとに良かったという事です。 次に、自然を楽しむ、、というより、正直、

強風と大波から守られた海域についた事がとにかく嬉しいです。 とにかく、それが一番です。               

 コディアックからここまでは初めて、最期まで海が荒れませんでした。  大陸へ着く前日、まだ陸まで150キロある地点

でサンセットの時間に、東の雲の上に黄金色の岩と雪の山の頂きが見え、幻ではないかと目を疑いました。 それ以降、自

分の目や、感覚を疑う事がたくさんあり、不思議の国に迷い込んでしまったか、、もしかしたら、僕達は北太平洋の嵐で沈

んで、天国(地獄では無さそうだ、) に来てしまったのか、、というのが今の心境です。  オーロラも、夏は見えないと思って

いたのに、なんと、海の上で見てしまい、、さっ き書きました山の頂きにしても然り、、僕の常識のものさしではついていけ

ない事が多く、リアルな地球と、知っているつもりだった地球とのギャップに戸惑いっぱなしです。  それから、催眠術にで

もかけられたのか、、と思うような理由はまだあります。  いまヨットで海にいるのに、山をリアルに感じてしまっています。

というのも、海のすぐたもとには、技術的にもおもしろそうな2〜4000メートルの岩と氷の名も知らぬ山々がぐるりと取り巻

いているのです。 そんな山の誘惑に乗る気は起きませんが、ついつい、今までの習慣で、ルートを読んだり、凄い壁だなー

等と、とても豊かな気持ちになってしまうのです。  ヨットで移動するわずかな距離の中に、凄い形の氷のピークや岩壁が

いくつもあるのです。この狭いエリアに、もし、日本百名山をもってきたら、順番はどう入れ代わるだろう、、。   「本当に山

に魅せられた者よ、ここに来い、自然に憧れ、山に生きたいと想う愛   すべき仲間よ、此処へこい。」口に出すまでも、僕

の心は、山鳴りのごとくそう響いているのですが、この心の声が聞こえますでしょうか、、、。ここには、人々の暮らしのすぐ

後ろに、そんな自然があるのです。       (もちろん、お花畑と雪渓の、美しい山もたくさんあります。)  それから、海の

色が不思議です。上品なグリーンに、微炭酸のクリームソーダの白 をまぜたような、、もしこの水をカクテルグラスに入れ

てオブジェしてもらったら、 どんな名前をきく事ができるだろう、、。  

 ここ2日、氷河の入り江にアンカリング中です。山々につもった雪が圧縮され、濃 いブルーになりながら谷を下り、海に注

ぐ風景です。太平洋にしても、考えてみたら、 大きな水たまりです。 そんな当たり前の事なのに、僕は違う何かを考えてい

たのでしょうか、、。

 ゴムボートを膨らまして、氷の浮く入り江の岸に上陸しました。たくさんの流氷の 間を漕いで行きます。良く見ると、透明な

氷の上には、まるで水晶の原石のような結晶が沢山できていました。  今僕達は、公園施設から遠い、原野の入り江にア

ンカリング中です。 ふかい霧の中、雷鳴のように響く海に落ちる氷河。バラバラとデッキを打つ雨の中、 遥か上空の峰から

低く風の音が聞こえます。     

                8月16日   ”オリハルコン” 山下 健一    kens-sea@d7.dion.ne.jpーーーーーーーーー                            

7月29日

初めてクジラ

を見た日

 ダッチハーバーを出て今日でもう4日目。ずっと船酔いなのか、体調が今ひとつで、 1日の半分くらいは寝て過ごしていた

ような状態です。

子供は見た目はいつもと変わり ませんが、食欲は無いようです。果物、おかし、簡単な食事それも1日2食くらいにな ってい

ます。

今日は、コディアックの島陰に入ったせいか、うねりが余りなく島も見え るからか、少し気分もいいようです。

 ダッチハーバーでは、色々な方にお会いでき又お世話になりました。ハーバーマスタ ーの皆さん。ボスのジムさんは、以前

日本水産の工場に働いていた事もあり、その時福岡に研修に来た事があるそうです。日本語が少し話せます。

無線でスモールハーバーが分らないといったので、ボートで迎えに来てくれました。

レッドサーモンとハリバットを頂き、ショッピングにも連れて行ってもらいました。  

オーストラリアから来たヨットの隣に泊めさせてもらいましたが、この船には3人の 私達の親くらいの方が乗っていました。

日本を廻ってダッチハーバーに来たとのことです。そしてたぶん二階堂さんが北海道に5月末頃旅行に行かれた時2本マスト

の外国から来たヨットがいて、うちと同じ風車をつけていたと写真をとってきて下さいました。 たぶんその写真の船だと思います。

その船は、私達が入港した2日後にコディアック方 面に向け出港しました。世界一周2度目の旅との事でゆっくり廻るといわれ

ていましたので、又どこかでお会いできるかも、、、。

船の中も見せて頂きましたが、今まで見た どの船よりも快適そうに見えました。そのへんの家より住み易そうです。(御主人の

デ ザインだそうです)

 ニュージーランドから来た家族、この方達の船はヨットではありますが、一番大きな ヨットでした。3つのバス付きトイレに、部屋

は7つ、乗り組み員も子供6人を含む、 3家族プラス?ダッチハ−バーには3月に着いたとのこと。これから、もっと北に向かうか

も、、と話していました。

ニュージーランドのテレビ番組をつっくているようです。 私達の知り合った家族は、ダッチハ−バーに家を借りていました。家の主

は今旅行中で、 留守の間犬の世話、花に水やりをし持ち主が帰ってきたら出発するといっていました。

 港のすぐ近くに工場がある日本水産の方に、税関や、お風呂をお世話になりました。 マルハの方達も、きょうこさんをはじめと

てもお世話になりました。仕事がお忙しい中、 わざわざ会いに来て下さったり、出港の前日には会を開いて下さり、、、見送りに

も来 て下さいました。

初めてのアメリカで、言葉も心配でしたが、日本人の方が近くにいら っしゃって、とても心強かったです。

 夜10時半頃(アラスカ時間)主人が外を見ていて、『何か潮吹きがあった』と言う ので私も顔を出してみると続けて3回程あま

り高くない潮吹きがあり、主人はひれも出 たと言っていました(ひれは、私は見れませんでした)子供はもうお布団の中でしたが

起きていたので呼び皆で外を見ましたが、もう潮吹きは見れませんでした。

でも、今日 が私達親にとっては『初めて鯨を見た日』です。

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7月12日

 又やっと気持ちの良いセーリングができました。ダッチハーバーまで残り450マイ ルくらいになってきました、後1週間もし

ないで着くと思います。もう着くまで時化の 海は勘弁して欲しいと思います、、、!  あまり歩く事が少ないのでひざなどが少

し痛いような変な感じがしています。早く陸 に着いて、思いっきり歩きたいな−!

7月11日

 昼頃、少し風が落ちたのでシーアンカーを取り込みました。取込みなどで少し疲れた のでセールは小さめにして様子を見

る事にしました。

 夜にはもう海も静かになっていま したし、無線のコンディションも良かったので『七夕の話』と『蠍座とオリオン座』の 話を藤

間さんにして頂きました。無線で毎日交信ができ、気分的にもとても安心できる 気がします。

7月10日  

日付変更線を今日の午前8時頃通過しましたが、その後昼頃より急に風があがってき て、走れなくなりシーアンカー(海のな

かで開くパラシュートのようなもの)を入れて 漂泊する事になりました。、風下に陸があったのでシーアンカーを入れないと流

されて 島にあたる可能性もあったので、、、。

 初めてシーアンカーを入れて漂泊と言うのを経験しました。船尾からシーアンカーを 入れていたので、波が船尾をどんど

んと音をたてぶつかってきます。たまにコックピッ トを通り過ぎハッチにぶつかってきます。波も隙間から入るし雨も振り込む

しで船内は、 びしょびしょ、船が揺れる度に床の上を水が流れています、ものは散乱して足の踏み場 も無い最悪の状態です。

7月7日  

七夕は、船内に折り紙や色画用紙で、星や、短冊、折り紙で作った鳥、花、飾りなど 色々なものを飾ってホットケーキが食べ

たいと言う子供のリクエストで、ホットケーキ にホイップクリームに果物で過ごしました。あいにくの曇り空で星は見えません

でした。

  それから無線で、星の話を石川さんの知り合いの藤間さんがして下さると言う事でした が、無線の方もコンディションが悪

く又今度と言う事になりました。

7月4日

やっと霧のなか太陽の光が眩しい1日になりました。太陽がいつ真上にくるかな、、 と思い見てみると10時半くらいかな、、、

日本時間より1時間半程早くなっているよ うです。もう夜中の2時で明るくなってきました。今から段々と日本と時間が変わって

来るんですね。

 無線で交信する時、夜に「おはようございます」と言うようになるんで しょうね。なんとなく変な感じですね。日付変更線をこえ

ると、日にちまでもが日本と 違って来るのでしょうから、、、後1週間くらいで日付変更線を越えれると良いのです が、、、。自然

に任せるしかありません。

 P.S 今日のお昼に梅干しの種を海に投げました。(梅干しの種を海に捨てると風が 出るという話があるので、効果はどうでし

ょう、、、?)

7月3日

7月に入りました。ここ数日あまり風がありません。出てきたと思っても半日くらい しか持ちません。後はそよ風程度です。オ

ホーツク高気圧におおわれているとの事です のでもう少し風のない日が続きそうです。

今夜は、とうとうセールを全部おろし漂流し ていました。風があり過ぎても漂流しないといけないけど、風が無くて漂流と言うの

も 辛いですね。うねりが余りなかったのでゆっくり寝る事ができましたが、うねりがある と飛ばされそうで大変です。

6月30日  

今朝は昨日までとは打って変わって風無し。でも昨日までの風の影響でうねりが大き く帆走できません。うねりに船がもてあ

そばれてセールはばたばた、船はドシャン、ド シャンと痛みそうなのでエンジンで走る事にしました。思うように距離が進みま

せん。

 早く日付変更線を越えたいのですが、、、。  又低気圧が来ているとのこと、今度の低気圧はどんなものかしら、、? 

 やはりこの 辺の緯度になると、天気が良く、快適なセーリングと言うのはあまりできないようです。 結露もひどく寒い上に毛

布などがぬれとても不快です。早くアラスカに着く事を願って、 辛抱です!

6月29日

朝少し風が落ちたようなので8時頃からセーリングに挑戦、どうにか走れるようにな り万歳です!

 それでもやはり海は時化ているので、私は昨日に引き続き船酔いです。 子供は、船酔いも無く、特に碧航は元気で、寝て

いる私にお腹がすいた何か食べ物を作 っくてと言ってきます。夜には少し時化も落ち着いてきたようです。

6月28日  

夕方より風が強くなり、(たぶん20メートルくらい吹いているようです) 夜には 帆走する事ができなくなりました。ヒーブツー

を試みましたが風にけっこう流され、 セールを全部おろしてベアポールで票流、それでも流されあまり流されるとロシア領に

はいてしまうので早く走りたいのですが、、、。

6月27日

昨日より三宅島が噴火しそうとのこと、三宅島には1日寄港し、噴火して溶岩で潰れ た小中学校跡を見てきましたが、あまり

大きな島では無いので、又噴火したらどうなる のだろう、と気になります、、、。今日の天気は曇り、少し風が出てきたようです。

6月26日

 今日は碧航の誕生日! ホットケーキを薄く焼き、ホイップクリームと果物(キウイ、 マンゴ、ももなど)をはさんで朝御飯に

しました。ローソクも持ってていたのに、どこ に入れたのか分らなくなってしまい残念! 碧航に隠して持ってきたおもちゃを

プレゼ ントし、それなりに誕生日気分を味わえたかな、、、。

 魚を釣ってみようと、トローリングに挑戦。ヒコ−キを流したら、3時間程でカモメ にヒコ−キ疑似餌などを持って行かれて

しまいました。カモメも釣り糸に引っ掛かって 海に居たので、皆で相談してもう一度カモメがいたところまで引き返して、カモ

メを助 けようと言う事になり戻ってみましたが、もういませんでした。カモメがつれるとは聞 いていましたが、こんなにすぐカ

モメがかかるなんて、、、。

6月25日

あまり他の船を見かけなくなりました。夜に1隻、明かりが見えました。

 天気は晴れ、夜には星がたくさん見えました。やっと風が変わってくれ、アラスカに 進路を取る事ができました

6月24日  

23日の夜トビウオが一匹船にとびこんできましたので、今朝ムニエルにして皆で少 しずつ食べました。白身で癖が無く美

味しかったです。

 今日は久しぶりの良い天気になり、霧もなくなっていました。風もあり(風向きは良 く無いですが)まずまずのセーリング日

和です。  今回の航回では、三宅島を出港した1日だけ少し雨にあいましたが、それ以外は梅雨 と言うのに雨にあっていま

せん。風が少し冷たくもう皆長袖を着ています。やはり気温 が少し低くなっているようです。

6月23日

22日に鮎川港を出港して、いよいよ今度の寄港地はアラスカになる予定です。

出港 してすぐは風もあったのですが夜になると鏡のような海面になり、今日もずっと19時 頃まで機走しなければいけま

せんでした。夜から急に風が出て良く走ってくれますが、 風向きがいけません。行きたい方からの風なので行きたいコー

スに行けずタックタック でジグザグに進んでいます。海はずっと霧が出ていて、見通しが悪く昼も夜もいつもよ り多めのワ

ッチとレーダーです。