第276話〜第300話

海・千夜一話物語 第276話 1997.1.12    「会ったぞ、藤川さん、ちゃま」

 1月12日、「牛窓・初夢ヨットレース」の観戦に、久しぶりに牛窓向けに 車を走らせた。 天気晴朗にして、波は無し。  レース艇はスタート海面にあって、波美(我がセカンド)は見えず。 解像度の悪い、倍率の小さい双眼鏡を目に当てて、選手の特徴を捉えようと したが、確認出来ない。Xを本部席へ走らせて、選手とセール番号を確認させ ている間にも知恵を絞ってみた。防波堤に肘を突いて、双眼鏡を固定すると、 セール番号の色違いだが同じ物がシングルハンダーの中にいた。  思い巡らせば、セカンドは、このエントリーの話は、酒井歌の姫(プロ歌手 にデビューしたヨットウーマン)に誘われて同行したという経緯があるので、 「ひょっとして・・」と思いつつ眺めていると、わが子の様にも見えてくる。 成績は、酒井歌の姫が1位(シーホッパー)、2位3位を470の男子が押 さえて、我がセカンドはSRながら良く健闘して4位。  波美いわく。「ちょっと波に乗れなかった?!」 餅つきのアトラクションがついた、アフターパーティーは愉快だった。 つきたてのモチを入れたぜんざいは概ね好評で、女性と気楽に話が出来るの はぜんざいの精かな。 ついに、会ったぞ!会ったぞ! かの有名な中村フレンドの藤川さん、ちゃま(小森の・・・)と、むくつけ き自分が、ぜんざいを食らいながらレースの事とかパケットの話に花が咲くの もミスマッチ的面白さがあると、離れた所から冷ややかに眺めているもう一人 の自分がうなずいた。

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海・千夜一話物語 第277話                 「夢航海(Vol 1)」

皆さん明けましておめでとうございます。 YUME別府温泉の旅は無事(?)終わりました。 小林さん、四国一周のレポ−トご苦労さまでした。航海よりレポ−トの方がしんどかった りして。でも無事終わりましたね。次は韓国とか、また期待してますよ。 石川さん新年は初詣、必ず御利益がありますよ。 吉永さん、スチ−ルの船を自作とか、一度見学したいな。 伊藤さん、徳島で小林さんとミ−テイングしたとか。高松までおい出るのかと皆待ってま したよ。 青森も雪のなか、石川さゆりの上野発の夜行列車おりたところは雪景色、そのとおりです ね。冬きたりなば春とおからじです。  ところで、別府はぽかぽかとほんとに初春のようでした。29日の朝0830仁尾発、 1330宮の窪瀬戸通過、1500いつき島通過、1630安居島通過、日没1800ク ダコ水道通過、伊予灘をそのまま直行し、翌朝0430別府着です。途中30分づつ2回 船が居ないのをみはからって仮眠する。づっと穏やかで機走で6ノット計算。別府ヨット ハ−バの前でアンカ−リング。0730明るくなってから入港係留する。  さっそく竹瓦温泉にでかけるとラッキ−なことに年末年始は無料である。番台は無人、 何だか得をしたみたい。この日は都合3回も入る。2000高松からJRで矢部さんがや って来る。食事、温泉でゆっくり休む。  翌日はバスで1時間980円で湯布院温泉に出掛ける。牧場の湯(混浴)、なんとかの 湯(混浴)のはしごのあと、スペイン風のレストランで地ビ−ル、自家製のハム、ソ−セ −ジで喉をうるおす。おいしかったな−。あとパエリエとサラダで1500円。合計一人 3500円だったかな。でもなか一杯になった。  帰ってハ−バ−側のホテル屋上の露天風呂にはいる。勿論無料であるよ。  すこしぬるい感じ。矢部さんは前から風邪をひいていて早々にでるが何だか好くないみ たい。  年が変わった0000別府出航、佐伯に向かう。6時間の航海で初日の出を見ることに する。以下の出来事は矢部さんにおまかせ。  小林さんが心配したとおり、行きはよいよい帰りはこわい、でした。Hevy.Wea ter Sailing の本の写真の通りの海でした。仁尾では当時28メ−タまで吹 いたそうだった。詳細は次回XMEさんのレポ−トをお楽しみに。

/EX ** JA5JNV @ JA1XME 長川 伸 Island Packet-38 "YUME" Captain ** ******** 桃の町飯山町から(香川県綾歌郡飯山町) ********

 

海・千夜一話物語 第277話                 「夢航海(Vol 1)」

皆さん明けましておめでとうございます。 YUME別府温泉の旅は無事(?)終わりました。 小林さん、四国一周のレポ−トご苦労さまでした。航海よりレポ−トの方がしんどかった りして。でも無事終わりましたね。次は韓国とか、また期待してますよ。 石川さん新年は初詣、必ず御利益がありますよ。 吉永さん、スチ−ルの船を自作とか、一度見学したいな。 伊藤さん、徳島で小林さんとミ−テイングしたとか。高松までおい出るのかと皆待ってま したよ。 青森も雪のなか、石川さゆりの上野発の夜行列車おりたところは雪景色、そのとおりです ね。冬きたりなば春とおからじです。  ところで、別府はぽかぽかとほんとに初春のようでした。29日の朝0830仁尾発、 1330宮の窪瀬戸通過、1500いつき島通過、1630安居島通過、日没1800ク ダコ水道通過、伊予灘をそのまま直行し、翌朝0430別府着です。途中30分づつ2回 船が居ないのをみはからって仮眠する。づっと穏やかで機走で6ノット計算。別府ヨット ハ−バの前でアンカ−リング。0730明るくなってから入港係留する。  さっそく竹瓦温泉にでかけるとラッキ−なことに年末年始は無料である。番台は無人、 何だか得をしたみたい。この日は都合3回も入る。2000高松からJRで矢部さんがや って来る。食事、温泉でゆっくり休む。  翌日はバスで1時間980円で湯布院温泉に出掛ける。牧場の湯(混浴)、なんとかの 湯(混浴)のはしごのあと、スペイン風のレストランで地ビ−ル、自家製のハム、ソ−セ −ジで喉をうるおす。おいしかったな−。あとパエリエとサラダで1500円。合計一人 3500円だったかな。でもなか一杯になった。  帰ってハ−バ−側のホテル屋上の露天風呂にはいる。勿論無料であるよ。  すこしぬるい感じ。矢部さんは前から風邪をひいていて早々にでるが何だか好くないみ たい。  年が変わった0000別府出航、佐伯に向かう。6時間の航海で初日の出を見ることに する。以下の出来事は矢部さんにおまかせ。  小林さんが心配したとおり、行きはよいよい帰りはこわい、でした。Hevy.Wea ter Sailing の本の写真の通りの海でした。仁尾では当時28メ−タまで吹 いたそうだった。詳細は次回XMEさんのレポ−トをお楽しみに。

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海・千夜一話物語 第278話                「夢航海(Vol.2) 

別府湯の街。」 じゃじゃーん、夢航海の第2部、始まり始まりーー。 YUMEはオーナーのシングルハンドで暮れもあと少しの12月30日早朝に 別府ヨットハーバーに入港したとの連絡があり、仁尾からはノンストップで 別府まで走ったそうな。 この日の朝に連絡を貰い、「では、明日31日中にはそちらに行きます」っと 言ったのですが、外回りの用事が思ったよりは早く済んだし、店も閉めたし 正月のお飾りも飾ったし、、、、・・・??? 急きょ適当なJRに乗る事にして一日早く別府に行くと事にしました。 本当は、31日に仁尾まで車で行ってそこからJRで八幡浜へ、八幡浜からは フェリーで臼杵か佐伯に上陸、日豊本船で別府にと駅弁ローカル線の旅をもくろん でいたのですが。 別府の温泉の誘惑には勝てません。 瀬戸大橋線、新幹線(「のぞみ」ですよ)小倉から日豊本線で別府と言う ポピュラーなルートになりました。 別府の駅に降りてから海に向かってトコトコと歩いて行くと数100メートルで 国道10号線にぶつかります。 この国道の地下道を通るとそこがヨットハーバー の入り口、と言うか、「ホテル花菱」の駐車場に出ますので、この駐車場を 横切って行くとヨットハーバーに出ます。 大体歩いて10分くらい。 去年の五月の連休にYUMEが別府に寄った時に陸路合流したクルーはこの距離を タクシーで飛ばしたそうです。 早速、船に荷物を置いて お ん せ ん  に。 JNVさんに連れられて先ほどの国道10号を渡り、とある路地に入り込む。 その路地は赤い火、青い火、黄色い火が綺麗な飲み屋街で、そこここに防寒着を 着込んだおにいさん達がうろうろとしていて、たまに我々の耳に囁きが・・・・。 うっ、うれしいな・・・・と思っているとJNVさんは慌てず騒がず止まらず。 これは、もっと美味しいところに連れて行ってくれるのかなぁ、、、、と思って いると、急にお寺さんのような建物が目の前に現れ、、、      「はい着きましたよ」・・・・・・・。 そこの看板にはネオンも無く、趣のある看板には「竹瓦温泉」と読めました。

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海・千夜一話物語 第279話             「夢航海(Vol.3) 

別府湯の街・竹瓦温泉」 竹瓦温泉は古い作りの神社かお寺さんのような堂々たる構えの作りの温泉です。 入り口から中にはいると、いつもは料金を払う所に「お正月休みの間はタダ」 のありがたーーい張り紙が有ります。 入ったところが大広間で、ここから右に「男」の入り口、左には「女」の 入り口の札がありこの入り口を入るとそこは脱衣場で簡単な棚のロッカーが 作り付けてありますが、このフロアには湯船は見あたりません。 湯船はこの脱衣場から階段で降りたところにありそこそこの広さと洗い場が ありました。 でも、湯船の中を見ると入っている人は「男」ばかり・・・・・ しかも左側の「女湯」の方角には高い板壁がーー。 そうです、ここ竹瓦温泉は混浴ではない健全な(何がー)別浴なのでした。 まぁ、タダだからしかたないかと諦めてゆっくり温泉に浸かり一年の疲れを 癒し、垢を落としてヨットに戻りました。 ヨットでJNVさんの作ってくれた晩ご飯をご馳走になり、20:00にHFの スケジュールなので3.550MHZをワッチするとすでにどこかの局がロールコール をしています。 しかたなく 3.549-3.548MHZ に周波数をずらし、JE5HYL 局を コールするが、応答無し。 暫くすると電話が鳴りHYLさんから「聞こえないよ」 とのお言葉。 電話で連絡取りながらなんとかつながりましたが、充分に連絡を 取り合えるような状態ではありません。 せっかくHF機を積んでいるのに以外と近い所(別府ー小豆島)が調子悪いよう です。 この距離でコンスタントに連絡を付けられるバンドが有ればいいのですが 3.5MHZ帯は電波の飛びからいっても、良い周波数なのですがやはりQRMが ネックですね。 一番は携帯電話でした。 もっと近い松山辺りだとレピーターを使って安定した連絡が出来ると思います。 今回、YUMEにはパケットの設備も積んでいたので、近況をアップロード しようと、探したのですが、別府・大分市の周辺にはRBBSが存在しません。 430MHZのFMでローカル局に聞くと「知りません」とのこと。 この430MHZがメチャ空いているので聞いてみるとほとんどの局は144MHZを 使用しているとの事でした。 高松は430MHZが多いので何処に行っても430MHZで CQを出せばOKかなと思っていましたがその地方によりメインの周波数は 違うようです。        (予告)次回はいよいよ混浴の世界へ!!!

 

海・千夜一話物語 第280話               夢航海(Vol.4) 

「湯布院の混浴」 別府から湯布院までの交通手段は大体5通りあります。   その1:JRで大分乗換湯布院まで     2:バスで直接湯布院まで     3:タクシーで行く     4:猿岩石のようにヒッチハイクで     5:番外編として徒歩で行く 今回は一番まともな手段としてその2で行きました。 JR湯布院駅の旅行案内所で湯布院観光マップを貰うと同時に飛び込みで 入れる温泉を紹介して貰い、いそいそと温泉に歩いて行きます。 今回は歩きなので遠くの温泉までは足をのばせませんので近くにある、 「牧の屋」と言う所まで歩いて行きました。 入浴料を払い、いざ露天風呂に。 まずあるのが「岩風呂」、、、ここは、女性専用の露天風呂なので男子は ・・・ 入浴禁止です ・・・ この横を抜けて行くと、ありました。  古い作りの納屋みたいな所に「男湯」と「女湯」の入り口が。 当然「男湯」の入り口から中に入るとすぐ横に脱衣所があって、正面には 大きい岩風呂とその向こうに由布岳がそびえています。 早々に服を脱ぎ捨て岩風呂に、、、、、、。 空はあくまで青く、風は凪、温泉の湯加減は申し分無く、、極楽極楽。 プール程もある岩風呂に入っているのはJNVさんとXMEの2人だけ、 この広い温泉を2人じめ、、、と、ゆっくりしている内に1人、2人と お客さんが入ってきます・・・・・・が男ばかり。 この岩風呂で写真を撮ったりゆっくりしている内に「パタン」と戸が 閉まる音が、「あぁ、また野郎が入ってきた」と入り口を見ると、、、、 誰もいません。 実はこの岩風呂、温泉地に良くあるパターンの入り口が男女別、、、 でも中にはいると一緒の混浴だったのです。 もう、これからは期待と期待でワクワク、ドキドキ、、、、、、。 そうこうするうちに、入ってきました、おばさんが、しっかりタオルを巻いて 「あれぇ、おばさんだ」と思う間もなく彼方の岩の陰に。(この間1秒弱) そうです、この岩風呂は大きい事は大きいのですが湯船の中に巨大な岩が たくさん置いてあってかくれんぼ自由な岩風呂でした。

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海・千夜一話物語 第281話              夢航海(Vol.5) 

「湯布院旅情」 湯布院の街は暮れの31日と言うのに観光客でごった返していました。 明日は元日と言うのに暇な人の何と多い事か、、自分達もその中に入って いますが。 この街には地ビールを飲ませてくれるレストランがありますので、露天風呂を 堪能したあとは迷う事無くビールを飲みに足はレストランに。 昨年は濃いのと薄いのと2種類あったそうですが、今年は1種類だけでした。 ビールの事はあまり詳しくないのですが恐らくエール系ではないでしょうか。 スペイン風のレストランでビールを注文しソーセージ、ハムの盛り合わせを 頼んで混浴のお風呂に入れた記念に「乾杯」。 ここのビール・ジョッキは何かおかしい。 どうも底が抜けているらしい。 あまり時間が経っていないのにビールがジョッキから無くなります。 そこで、ウエイトレスを呼んで、「おかわり ちょうだい」。 その後、ビール飲んだ勢いで、ここまで来たら温泉のハシゴだ、、とばかりに 少々遠い所にある温泉に、と言ってもタクシーで10分弱で「何とかの湯」 実は名前忘れました。  何でもRKB毎日放送で九州の温泉の横綱に選ばれたとかでたいそう有名な 露天風呂らしいところです。 ここも、入浴料を払って露天風呂に向かいますが、ここは家族風呂、露天風呂 女性用露天風呂などなど色々な露天風呂が有るらしく、当然混浴の露天風呂を 目指します。 ところが、お決まりの入り口2つ、中は混浴ではなく。  入り口は1つ、中は混浴、当然脱衣所も共通となれば中に入っているのは 野郎ばかり。 なぁーんにも、面白くない露天風呂でした。 (何を求めてるんだぁ)     せめて入り口は2つ、作っておいてくださいね。

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海・千夜一話物語 第282話                夢航海(Vol.6) 

「豊後二見が浦」 大晦日の夜もテレビが無いヨットの中で過ごすと、時間はゆったりと 過ぎて行き、年越しのソバを食べてしまえばあとは寝るだけです。 でも、別府に出てくる前、佐伯セーリングクラブの西山会長に電話入れたところ 元旦は豊後二見が浦で初日の出を拝んだあとその近くで宴会に突入するよ。 との情報が入ったために、除夜の鐘が鳴り始めた頃に別府ヨットハーバーを あとに佐伯までの初乗りに出港です。 流石にこの時間になると国道10号線も静かになり、大分市と別府市の間の 別大国道(べつだいこくどう)は別府の入り口で暴走族を張るパトカーの 赤色灯だけが賑やかに点いていました。 月明かりの中、新日鉄の高炉からでる臭いを嗅ぎながら大分沖から佐賀関を 抜けて一路佐伯に向かいますが、大分沖でちょこっと良い風が出た他は 殆どが凪。 臼杵湾、津久見湾を横にみて佐伯湾にアプローチする頃には朝の6時頃、 佐伯湾の奥に浅海井(あさむい)と言う場所がありここに伊勢の夫婦岩と 同じ締め縄が張った岩があってこれが「豊後二見が浦」なのですが、 暗いので、何処にあるやら分かりません。 それにヨットらしい航海灯も見えないし。 夜が明けるまで浮かんで待っていようとエンジンをアイドルにして漂って いると北の方に何やら白い陰が、、、、、。 よぉーく見るとフルセールを揚げたヨットでした。 彼らも気づいたのかこちらにコースを向けていますので、マストトップの ストロボ・ライトを10秒間位点灯すると、ライトで合図を送ってきました。 近づいてくると、西山さんの「ランスロット」Y−30です。 新年の挨拶もそこそこに、初日の出を待ち、日が上がったところで記念写真を 撮り二見が浦の近くの漁港へ入港。 ランスロットとYUMEを横に並べると早々に宴会が始まり、あっと言う間に おせち料理がテーブルに並びます。 佐伯セーリングクラブの人達、ジュニアの僕ちゃん達とYUMEの2人で 宴会が始まってまもなく西山さんの奥さんがお鍋にお雑煮を入れてユーノス・ ロードスターで登場。 暫くすると徳島の河野さんがキャデラックで登場、お正月そうそう大宴会に なってしまいました。 この後、お昼頃に佐伯セーリングクラブのホームポートである風無港に回航 したあとは、西山さんに車を借りて佐伯市内を探検しますが。 元日はどこも空いていないし、もちろんお風呂やさんもお休みなのでYUMEに 戻った後は昨晩の睡眠を取り戻すためにお昼寝タイムで元日の日が暮れて行きます。 de Y.Yabe Takamatsu-city JA1XME@JA1XME.36.JNET5.JPN.AS

 

海・千夜一話物語 第283話               夢航海(Vol.7) 

「佐伯出港」 お正月のクルージングの良いところは、本船が動いていないので 海がすいている事と工場が休みになるので空気が澄んで夜の星空が綺麗に 見える事です。 ところが、この時期どうしても1回は季節風の吹き出しに捕まり、これを どの様に乗り切るか、やり過ごすかと言う選択に迫られます。 この季節風の吹き出しは天気予報通りに元日の夜から始まりました。 最初は南からの前線に向かう吹き込みが、2日の朝には前線も通過して 大陸の高気圧から東に抜けた低気圧に向かう吹き出しが強まり、今まで 穏やかな日々が続いていたので、この吹き出しは多分2日間はしっかり 続くだろうと予想されました。 暮れから咳が出て風邪気味だった私と、季節風の吹き出しをやり過ごすと 仕事始めに遅れが出そうなので、ここで2日間も止まる訳にはいきません。 それよりは早く帰って家でグッスリと眠った方が回復が早いだろうと言う事で 2日早朝に出港する事にしました。 朝4時に起きて空を見ると雲がもの凄いスピードで飛んでいます。 JNVさんと相談で日が登るまで出港を見合わそうと言う事で、すこし寝て から朝ご飯を作り、ついでにお握りを用意して途中料理を作らなくても いいように用意していると、岸壁の反対側に係留していたヤマハのアンカーが 抜けて岸壁に押しつけられて来てしまいました。 ちょうどその時河野さんが来て「出港、明日にしたら」と言いますが、 明日になってもこの風が凪ぐ事はないだろうと言う事で、ヤマハは河野さんに お任せして、我々は風が息をしているうちにもやいを解いて出港しました。 沖に出たところでメインセール・2ポイントリーフでアップ、ステイスルも 展開して機帆走で佐伯湾北の浦戸崎を目指しますが、ブローを受けると マストが異様ににバイブレーションを起こし変な振動がでます。 良くみるとステイスルのラフが弛んでいるのでマストまで行ってステイスルの ハリヤートをウインチで引き上げ思いきりテンションを掛けるとバイブレーション は止まりました。 この後、浦戸崎をかわしコースを北に向けると登りのコースになり、津久見湾 からの風と波の影響でステイスルを揚げている事が出来ずに2ポイント・メイン のみにして機帆走で四国佐多岬と大分佐賀関の間にある高島を目指してコースを 引き、早吸の瀬戸は中央を通れるように走ります。 さすがにお正月の2日と言うと本船は動いておらずに四国と九州の間のフェリー だけが動いていたので、行き交う本船を気にしなくていいので少しは気が楽に 走れましたが、この頃恐らく風速は35−40ノットで安定しています。

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海・千夜一話物語 第284話            夢航海(Vol.8)最終回 

「季節風の海」 豊後水道は行き交う本船がいないのでコースを自由に取れますが、風が強い! 2ポイントリーフで機帆走、風は北西から35ー40ノット、大体風を40度 位に受けてスピードは4−5ノットをキープできます。 津久見湾沖、臼杵湾沖は波も安定していて比較的走り易いのですが、たまに波 の大きいのが来るとスピードが落ちてしまいます。 それでも早吸の瀬戸の西側にある高島の東辺りを目標に進んで行きますと、臼 杵湾の沖に来たときに臼杵の方向から保安庁の巡視艇が近づいてきて我々を見 つけて停船しています。 きっと「こんな時に走っているバカがいるわい」と思って見ているのでしょう。 暫く停船して我々を見ていましたが行ってしまいました。 早吸の瀬戸に掛かった頃から北に向かう潮と北から吹いてくる風と波がぶつか りあい、海は三角波を交えたものすごく悪い状態でYUMEも翻弄されます。 瀬戸をかわしたあたりで、この悪い海から早く抜けるためにコースを東寄りに 振り山口県側の八島を目指します。 ここでラットをJNVさんと交替して貰いますが、交替して暫くは身体が動き ません。 コックピットで暫く休んで、グローブをやっと脱ぎ、キャビンに入 ってオイルスキンを脱ぎ、バウバースまでよろよろと進んで横になりますが、 冷えて硬直した身体で暫くは意識朦朧としていました。 1時間弱でしょうか休んで身体が動かせるようになったので、お腹が空いたし 何か食べる物はないかいな・・と探すと、ありました、チョコレートの袋が。 疲れた時には甘い物が効くから、、と思って2・3粒口に放り込みますと、 何やら胃がムカムカと、、、、。 気分が悪くなって吐いてしまいました。 その後、JNVさんと交替もせずにまたバウバースでマグロに。 暫く休んだら調子が戻りましたので、今度はお握りを食べて(懲りてない)お 湯で流し込み、JNVさんと交替です。 佐多岬の早吸の瀬戸から八島までの間は波は一定なのですが波高は4メートル 位のがコンスタントに来ます。 でも、何とか八島の東に取り付いたところで日が落ちて夜が来ましたが島影に 入ったのとコースを日がし寄りに変えてクオーターリーチに風を受けだしたの で走りが楽になりました。 この後は屋代島の南から機帆船航路をひたすら東に進み来島海峡を横目に宮の 窪瀬戸を通過、仁尾マリーナには3日の朝6時に入港ですが、マリーナのすぐ 外側までうねりが来ていますので、セーリングのままマリーナに入港、港内で セールダウンしてバースに繋ぎます。   今回はおもいっきりハードなセーリングでした。   でも、アイランド・パケットの安定性は目を見張る物があります。 教訓:思いきり疲れた時にはチョコレート等油分の多い物は      止めましょう。

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海・千夜一話物語 第285話 「牛窓・悔恨の念」

 明るいね、ちゃまは!!   表彰式で景品を貰ったときのはしゃぎ振りったら無かった。  この"乗り"が有るからこそ、ヨットも人生をもうまく波に乗れるのだろう。 それにつけても、我がセカンドのじゃんけんの弱さには、驚いた。  思わず心の中で叫んでいた。  「なんだ弱いやつだな!俺と一緒だ!」 ディンギー部門の抽選会は、アイデアが面白い。  司会者が、景品の中から一番廉価な商品を取り出し、テーブルの上に置いた。 入賞の上位の者から呼び出され、景品群から好きな物を選び取って同じテーブ ルの上に並べる。次に、司会者とジャンケンをして勝ったら、自分の選んだそ の景品を貰えるが、負けたら司会者が選んだ景品を貰うしかない。    「ジャン・ケン・ポン」「ジャム・キング・ピンポング」  レース成績の1位の者から声高に呼ばれ、嬉々としてジャンケンに挑戦する。  トップ3人は全員勝った。次はセカンドの番だ。 「ジャン・ケン・ポン!」4番目の我が娘は、見事に負けた。 5番目の人から後も、数人が続けて勝ち進んだ。何とも皮肉である。  その頃になって、レストランの前のクルーザー部門の表彰式が始まった。 優勝艇、準優勝艇の中に知り合いの顔が見えるので、旧交を温めにその場へ 移動した。 話し込んでいると、司会者がこう言った。「これで表彰式を終わります。こ こにヤ○ハの大きなカレンダーが有ります。欲しい人はお持ち帰り下さい。」 数人の希望者に混じって、押されるように私も貰いに前へ出て受け取った。   この行為が、後日、悔恨の念に悩まされる事になった。 「私はクルーザーレースの参加者でも何でもなく、たまたまそこに居ただけ なのだ。もらう資格があったのだろうか。」 「借りてるだけなんだ。来年は返そう。」そう決心している。

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海・千夜一話物語 第286話 「コンクリートヨット物語」  

"しのや"の裏の石の塊が、ヨットであるなら、私もエールを贈りに立ち寄 ってみたい。  アメリカでは、こんな諺がある。  「キットをまとめた、ためしがない。」とか、「スタートする人は多いが、 フィニッシュする人は希だ」 製作途中の残骸を見るにつけ、その諺に納得しながらも、ちと寂しい思いが する。  これは、あくまでも私のメモリーの中だけでの順番であるが・・・。  秋津洲丸(39ft)。日本のコンクリートヨットの元祖である。  姫路市の4人組によって製作され、太平洋周遊(カナダ、アメリカ、オース トラリア、日本)に成功して、現在は金平町の海の記念館の屋上でスカイセー リングしている。製作日数は、記憶がない。 2番手進水が、我がボルテチノ号(32ft)で、新婚旅行で太平洋往復横断。 製作日数は、1年3ケ月。  3番手進水が、サンメイト号(45ft)。世界一周に兵庫県室津港から出 航。グアムで珊瑚礁に乗り上げて、夢を断念。(出発は私より先)  4番手は、伊勢志摩方面で製作されたが、水盛りを意識して、防水セメント を塗ったが為にかえって亀裂が発生。それを補強するために、さらにそのうえ に防水セメントを塗り重ね、重量超過とバランスが狂って失敗。

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海・千夜一話物語 第287話 「コンクリートヨット物語」 その2  

オセアニード(39ft)。広島県秋津町で上原さんが、5年の歳月を掛け て進水。ちなみに、この秋津町は大相撲の秋津州の出身地である。 さて、このヨットは、佐世保にいた外人が購入して、世界一周の準備の為上 架中、台風に遭遇、横転して大破、夢を断念したと言う。  雪風(45ft)。広島市で米倉さんが、7年の歳月を掛けて進水。 エピソード:作り始めた頃は、道路沿いの空き地だったが、7年の時間は、 その回りに家が建ち並び、ブロック塀を作った。  クレーンで吊り上げても、物理学的には、その塀を壊さないと、ヨットが道 路へ出せない事になった。。  進水に鑑み、後で修理するから、塀を壊させて貰う許可を得てクレーンで吊 ったら、ギリギリでクリアーしたそうだ。  岡山県牛窓。ペンション経営の長田さんの自作なる、○○○丸(45ft) があり、現在は牛窓ヨットハーバーの片隅で記念碑として人々に親しまれてい る。  長田さんの、弟さんもコンクリート製モーターセーラーを自作され、聴くと ころによると、現在はタヒチでチャーターヨットをされているとか・・・。  鹿児島にも、現役のコンクリートヨットがいると聴いた。  姫路の八木港でも、26から30フィートの建造中のヨットを見た記憶がある。

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海・千夜一話物語 第288話 '97.01.26 「しまなみルート・尾道大橋」  

橋に絡む面白い話を友人に聴いた。  広い所では500m、狭い所では200mに充たない尾道水道を、見下ろす ように尾道大橋がある。  そもそもは、尾道と向島を結ぶ生活道路であり橋であった。償却が進み通行 料が只になる直前に西瀬戸自動車道に編入されて、只にならないばかりか以前 より少し値上げされてしまった。  最近、この尾道大橋の横に、それより幅の広い正式ルートに対応する「しま なみ大橋?」なる新橋の起工式が行われたとのニュースを聴いた。 この橋を含めて、尾道=今治間約60kmは7つの橋で結ばれるのである。  前置きが長くなったが、面白い話の本題に入ろう。 橋の唯一の料金所は、橋の南端にある。  真夜中、向島側から橋に入ろうとすると、数台の車が列をなして止まっている。 確かに尾道の夜景はきれいだが、駐車場でも無いのに、料金所入り口の海側 の路肩に止めて動かないのは、地元の車にしては異様である。 友人はその訳を知っていた。  デートのカップルが夜景を楽しんでいるのではなく、真夜中0時になれば橋 の通行料が只になるので、急ぐ用でない人が、その時刻が来るのを待っていた のだ。 友人は、満を待して車を発進した。  丁度0時に料金所の横へ乗り付けた。  おっちゃんが言った。「ちょつと待って。料金をいただきます。」 料金所の窓口から数メートル手前にセンサーがあって、ここでのチェック時 刻は0時に数秒前であったという。

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海・千夜一話物語 第289話 「コンクリートヨット物語」 その3  

明治の初期。鉄で船を造ると言ったら、「木の船ならいざ知らず、鉄の船が 浮くわけが無い」と、政府の役人が猛烈に反対したと言う。  「木の船は浮くが、鉄の船は浮かない」と考えた時代が、事実あった事が面 白い。  船は材質で浮くのでは無く、「排除した水と同じ重さだけ、浮力ができて云 々」の、アルキメデスの定理である。  瀬戸物の茶碗も、水に浮くし、飛行機だって車だって、浸水しなければ、水 に浮くのである。  さて、広島県秋津町or安浦? に、良く見ると中型の船の形をした防波堤 が、しかもキッスをしながら2ハイ仲良く鎮座している。 近寄り、中に入ってつぶさに観察すれば、驚いた事に、コンクリート製の輸 送船の残骸である。 外板の厚みは、約30cm。甲板を支える柱も建物の柱並である。 これは、第二次世界大戦の末期、物資に不足を来した日本の軍部が考えた窮 余の策なる、コンクリート製の輸送船の残骸である。 エンジンは着けていないから、自力航行はできない。他の船舶で曳航をする。 この船に物資を積んで、残留部隊のいる南の島の砂浜に乗り上げさせて、夜陰 に乗じて兵隊が、物資を取りに来るのである。 いわば、使い捨て船である。

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海・千夜一話物語 第290話 「中村ドナーになろう」  

新年、470ナショナルチーム、香川県スポーツ栄光賞。  目出度い、お目出度い、お目出とう。  今や、中村家の春は真っ盛りじゃないですか。 それにつけても、日本ヨット協会からの強化費用が上位1,2位のみとは情 けない。 たしか協会の会長は、「ふるさと創生・1億円」の火付け人ではなかったで すか。雀の涙程度でも良いから、こちらへ回してくれれば良いのだがと思いま す。会長の小遣い程度の補助も出ないとは、海国日本(単に宣伝文句)の名が 廃る。 ◎ ここで提案があります。  パケットのヨットフォーラムの縁で宗子さんのご主人の470ドナーになり ませんか。 なにがしかの援助金を彼に贈ってドナーになりましょう。見返りに艇体の一 部に支援者の名前を小さく書き込んで頂くというのは、どうだろうか。 「中村47(ヨンナナ)献金」の窓口を、フィートウエットの矢部さんになって 貰うのはどうでしょうか。  そもそもオリンピックは、国と国との戦いでは無いと言われながら、マスコ ミは、国別の取得メダルの多寡を問題にしているし、国民は日の丸さえ揚がれ ば、感動の涙さえ流す。メダルさえ取ってくれれば、自分の好き嫌いを問わず あらゆる種目に感心を示すが、普段は歯牙にもかけない。  オリンピックの当日、勝てない、駄目だと言うなら、せめて大会へ臨むまで の過程で何らかの関与をし、育てて戦いに行かせることくらいさせたいものだ。 選手の身体を借りて、自分がオリンピックに参加するのです。そうすれば、 より一層、感心と気合いが入ります。

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海・千夜一話物語 第291話 「マトリョーシカ現象」

'97年2月8日の読売新聞の一面、編集手帳に、私にとっては興味あるコ ラムが載っていた。 一昨年、ヨットによる新潟−ウラジオストーク航海のお土産に買ってきたマ トリョーシカ(WOYにも献上)、入れ子式に胴の中からいくつかの小さな人 形が出てくるだるま型の人形の起源はそう古くなく、日露戦争にまつわる説が あると言うのだ。 愛媛県松山捕虜収容所のロシア兵が、松山の郷土玩具の一つ、姫だるまをま ねて作ったというのだ。  素朴な味わいは共通しているし、それを好む日本とロシアの人々の心情もま た通じ合う。・・が、国家となると別らしい。 一度決めても、つぎつぎと別の決定が現れるロシア流儀を「マトリョーシカ 現象」と皮肉るむきもある。  きのうは、「北方領土の日」だったが、解決の道は遠く、今、重油流出事故 の対応も鈍い。 変わり雛よろしく、モスクワのデパートには、エリツィン大統領以外に、次 を狙うレベジ氏らのそれもあるというから、うかうかできまい。

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海・千夜一話物語 第292話 「シンシア号船長来る」

  福山市内に焼き肉で有名な「神*屋」と言うレストランがある。  まずまずの味に、そこそこの代金を払おうとレジの前に立った。  そこでB4二つ折りのコピー文書を見付けて手に取った。  「養心の会ふくやま」平成9年1月第5号 料金をごまかされないように用心しなさいの"用心"ではなく、心を養うと いう意味の"養心(ようしん)"の会といい、各分野で活躍中の人を講師に呼 んで苦労話に耳を傾けて心を養い、茶話会でその人と親しく交わりましょうと いう主旨の会であるそうな。 この世で二番目に楽しそうな会である。(注:一番目はパケットミーティング) 二番目であるから毎回出席したいとは思わないのだが、この度は講師が気に なるので、初参加の申し込みをしておいた。         御 案 内   第 六 回 講 演 会 講   師 岡村精二 様 日   時  二月十八日(火) 六時半から 会   費  2800円 茶話会会費  2000円  岡村様は、昭和52年、手漕ぎヨットによる太平洋単独横断に成功され、現 在は、至誠学舎おかむら塾を設立。  Project松陰設立。  子供達に松陰先生の思想を!!    「シンシアとぼくと太平洋」 岡村精二 著  山口県宇部から手漕ぎのヨットで太平洋横断に乗り出した。  手漕ぎのヨットの有り体は、木製の20フィートヨットのスターンに伝馬船 の櫂を取り付けた物である。マストも有るのでセールも張れるが、セール袋の 口は封印をしてあり、緊急の場合に展開する手筈だった。 当時、私は「ついに新人類が現れたか」と驚いたものだ。  彼は出発地点と考えた八丈島(八丈島までは回航航海だそうだ)から13日 目に転覆して、22日目についにセールバッグの封印を解いた。 5月17日宇部を出発して、10月8日にシスコへ到着するという、全日程 123日に及ぶ漕航横断記である。  養心の会では、じっくりと「彼の太平洋」を聴いてみたい。

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海・千夜一話物語 第293話 「具雑煮選手からの年賀状」  

具雑煮選手(私の独断的命名)こと、高木裕選手から年賀状が来た。 勿論、今年の正月の事ではあるが・・・。 上部3/5に彼の(?)クルーザーのカラー写真があり、その下に次ぎのよ うに一筆啓上してあった。 「舵社より単行本・高木裕の「図解ヨットレース」を発売しました。」  気にはなりながら、我が市内のどの本屋にも無いので、直接舵社に注文しよ うかと思いつつも内容を見ないで買うのは、アイボールしないで結婚を申し込 む程のリスクを感じて躊躇していた。 今日(2/17)その本を見付けた。内容を吟味せずに二三ページを見ただけで 買った。 「実践から学ぶ」コーナーでは、彼のケンウッドカップやロスアンゼルス・ オリンピック出場体験が語られていて、説得力のある本になっている。  しかし、なんと言っても巻末の「筆者略歴」はインパクトがある。ここを読 んで購入を決めたようなものだ。  9歳から父親に連れられてヨットを始める。高校時代にはヨット部を創り国 体出場。  大学時代には、インカレ優勝、インカレ470個人優勝。  また、学生ではじめて470全日本チャンピオンになる。  国体優勝2回、アジア選手権優勝2回、ワールド7位の成績を残す。 現在は熊本県ヨット連盟の強化部長として云々。  そういえば、来年のOP西日本オープンは熊本が会場になる。  来年は、彼と食べる「具雑煮」が楽しみだ。

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海・千夜一話物語 第294話 「RE:ポイント・ヨット・レース」

XME> 今まで5年間くらいレーティングについてはこの世話人の中のレーティン

XME> グにちょっと詳しい人が、「あの船はこのくらい」「じゃ、こっちの船は

XME> このくらい」「でも、あの船は早そうだからこのくらいにしようか」程度

XME> の事で適当に決めていました。

 一応、各船の相互関係を見ながら決める XME> のですが。 我々の地方でも、そうでした。    少なくとも、1989年まではね・・。 XME> まぁ、どこのレースでもこんな物でしょう。 ヤベーさん、その認識は、やべーなぁ。  広島県の東の端、地方都市福山でも、CRの取得とそのレーティングによる レースは、既に1990年から行っています。  地元で5月の末に行う「鯛網レース」も、9月に行う、四国は新居浜、今治 方面と合同の「魚島レース」もまた然り。  もっとも、東隣の「笠岡市長杯」や「玉島レース」では、異を唱える。  曰く「クルーザーレーティングは、おかしい。完璧ではない。(本音:自分 のヨットのレーティングが今より高くなるから)経験に基ずき、地方の事情を 考慮した、エライさん指定のTCFの方が、みんな楽しめて良い。」  彼等の気が付いていないことは、「物差しが公平で、全国統一された物で無 ければならない。地方地方の情実レーティングでは、駄目。」という基本的考 えである。 極端な例では、同じ船が、セールを新調したら、レーティングが高くなる。 フジツボが着いていたら、レーティングは低いが、船底掃除をしたらレーテ ィングが高くなる!?。 お前は、俺に勝ったから、来年はレーティングを高くする。 「CRを取得してない、又は証書のコピーを提出しない艇は10%のペナル ティーが課せられるから、参加したくない。(CRを取得するつもりは無い)」

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海・千夜一話物語 第295話 「シンシア号秘話」  

「シンシアとぼくと太平洋」の著者の岡村精二さんがやってきた。  もう一冊の著書、「子どもをダメにしない住まい方」を引っ提げてやってき た。   彼いわく、「太平洋横断なんて簡単なんです。大変なのは、帰ってから何で 喰っていくかが一番頭の痛い事だった。」   そういう彼は、帰国後、職安へ通い、「現場監督求む」の求人広告した建設 会社に就職して、経験を積み一級建築士免許を取得した。  その経験から書いたのが、「子どもをダメにしない住まい方」という本であ る。 その本の表紙の見開きに書いてくれたのが次ぎの文である。  「花それぞれ、人それぞれ、それぞれの花を咲かそう」 "シンシアとぼくと・・・"にはこう書いた。 「夢を夢のままにせず、その実現に向かって努力することが生きることだ」 シンシアの出航秘話 太平洋横断を言い出したら猛反対して、進水式にも顔を出さなかった大工 の親父さんが、出航の時「これで行くのか」とムッツリと一言だけ言った。 出航して、大分県の佐賀関沖を航行中、腹が減って差し入れの手作り三段 重ねの弁当を開けたら、手紙があった。  「がんばれよ 母」 二段目を開けたら、「生きて帰れよ 父」 この手紙を見た瞬間、大泣きに泣いた。

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海・千夜一話物語 第296話 「ヨット、春の準備」

 パケット通信のお陰で、ヨット界の各艇種の一人者と知り合った。  その一人が「図解ヨットレーシング」という本を書いた。  高木 裕さんであるる。 この本を読んでいると、「レースは楽しい。レースをしましょう。」と耳鳴 りに混じって天の声が聞こえてくる。 グループにもちらほらと入門者が現れて、私のしごきを待っている?。  入門時のアメが利いたみたいだ。・・・・訳でもないが。  昔の人は良いことを言った。 「鉄は熱いうちに打て!」 まあ、もう一度、一緒に燃えようと老体にムチ打つ事に決めた。  いざという時にどんな都合の風が吹くかは知らないが、J24の全日本選手 権に参加しようと法螺談義に乗せられて、酒の勢いでその気になってしまった。  そんな訳で、今日は春一番通過後の小春日和を利用して、J24を上架の為 の回航をメンバーにやって貰った。 昼に上架完了。  春一番のヨット整備は船底塗料のリムーブから塗り直しである。  「さあ、昼飯を喰ったら、ペンキはがしをやろうぜ!」 「石川さん、昼から所用があるので、今日はこれで・・・・」 ああ全日本が遠くなる。 帰宅した一人は独身。再度電話で呼び出すと、快くやって来た。 その内、ふらっと遊びに来たミイラ取りが、ミイラになって2,3人が手伝 ってくれた。 まず、船底塗料にシンナーをスプレーして、柔らかくなった表面をスクレッ パーでこさげ落とす。 少しずつ、少しずつ、船体のゲルコートの地肌が見えてくる。 全部裸にして、軽くして化粧直しをするためである。  「ベッピンにしてやるぜ!」 まだ残る、数年前の台風19号のツメ跡がデッキにある。こいつも直し、マ ストの長さも再計測、再調整。新しいセールも注文した。 だからどうした。駄馬が、否ロバが駿馬になる訳でも・・・。 ロバにのるドンキホーテかも・・・。  ひょっとして、名伯楽が現れて・・・・・・・。  いろんな事を考えながら、船底塗料はがしの作業は、夕闇が迫るまで続くの であった。 快い満足感と、疲労感。   明日は、職場で休息を・・・。

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海・千夜一話物語 第297話 「感動、すごい本読んだ」

 先般、「シンシアと僕と太平洋」の岡村さんがやってきて、私のコクリート ヨットの話になった。  広島アジア大会の470級の風待ち中、スタートラインをトロトロと斜めに 横切るユニオンジャックの旗を揚げたクルーザーがいた。 それが私の初代"ボルテチノ号"だった。 なんの脈絡もなく、観覧船で親しくなったインドチームの監督を思いだした。 そんな折りも折り、新聞に大きく載った新刊書の広告が目を惹いた。  「女盗賊プーラン」草思社刊。  インドの女盗賊のノンフィクションである。  "もうこの屈辱には耐えられない。村八分、白昼のレイプ、犬以下の扱い−− 現実とは信じられない過酷な運命が十代の少女を襲う。" "屈辱を晴らすため、虐待者二十数名を射殺。司法取引で投降後民衆の英雄に なった彼女はやがて国会議員に。"  裏表紙の見開きに、彼女の紹介がある。                プーラン・デヴィ 1958年頃生まれる。盗賊の女王と呼ばれ、民衆の英雄となる一方、政府 からは懸賞金付きのお尋ね者となるが、1983年、司法取引に応じて投降、 11年間の獄中生活を送る。  1996年インド統一選挙に立候補し、国会議員となった。 現在も命を狙われているため、24時間の態勢の警護を受けている。

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海・千夜一話物語 第298話 「讃岐丸、再出発は海外で」  

本州と四国を結ぶ宇高(宇野−高松)連絡船として活躍し、瀬戸大橋開通後 も観光船として親しまれた後、昨年引退したJR四国の「讃岐丸(3,087トン)」 神戸の中古船販売会社に買い取られた。  同社では「東南アジアで客船として復活させたい」と買い手を探しており、 海外でよみがえることになりそうだ。 過去、他の3隻は売却後も客船として活躍しているという。  「伊予丸」は、上海で。  「阿波丸」は、インドネシアで。  「土佐丸」は瀬戸内海で。    '97.2.28 読売新聞

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海・千夜一話物語 第299話  「ワニの神様」  

「石川さん、金比羅さんのご神体は何か知ってるか。」  ある時、唐突に友人が訊ねた。 「ワニじゃそうな。」 広島と日本海側の松江の中間くらいに、三次という市がある。この地方では、 鱶(フカ)の事をワニと言って珍重している。  「これを喰わにゃ、正月がきたような気がせん。」とかいって懐かしんで喰 っている。 だが、そのワニとは違うと言った。 ご神体というから、ややニュアンスが違ってくるものの、インドのワニ信仰、 つまりクンビーラ神信仰が融合して、「水の王者」「水に強い」「航海安全の神」 となって、800年近くも庶民の信仰心を集めている。 金比羅宮の社伝によると、祭神は大物主神と、1165年に合祠された崇徳 天皇であるが、大物主神と同一視された金比羅大権現の呼び名が一般化し大衆 的に信仰されるようになった。  発展は江戸時代になってからの事だという。江戸時代の海運の広域化に伴い、 日本国中の船乗りから信仰されるようになった。  本山へのお参りは、信仰上の目的だけでなく、庶民の一大レクリエーション旅 行でもあった。  参詣人は、ここで富くじを買い、遊女を買い、千両役者の芝居を見、博打を 打ち、日頃の憂さを晴らした。  ちなみに、天保年間には、芸者が150人、遊女300人がいたといわれて いる。  「時に石川さん、福山ではワニを喰わす居酒屋があると聴くが、知っている か。」  確かにある。  鱶では無くて、本当のクロコダイルのステーキがメニューに並んでいる居酒 屋がある。  「自分らの仲間うちで話題になっているが、一番に喰う勇気が無い。石川さん 毒味をしといてもらえんかね。」 かくして、近々、私がワニのステーキの毒味をする事になっている。インド では、うまい物を喰った時、「頬が落ちそうな」という変わりに「口が裂けそ うな」と言うそうな。  これは嘘。

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海・千夜一話物語 第300話 「ワニを喰った」

 よく言われる事だが、「犬が人間をに咬んだ」ではニュースにならない。  「人間が犬を咬んだ。」のならニュースになる。 では、これは大ニュースに値するか。  人間が、ワニにかぶりついた。   ヨット整備の慰労を兼ねて、ワニのメニューのある居酒屋へ行った。そして、 念願のワニ(クロコダイル)のステーキなる物を喰った。 私もついにクロコダイル・ダンディになったのだ。 味の方は、鳥肉に似ていると言うが、流石に硬かった。喰い終わった後、顎 が痛かった。 ところで、クロコダイルの輸入はワシントン条約に引っかからないのだろう か。  あるいは、養殖のワニ牧場でもあるのかな。せいぜい、ビールでも飲ませて 肉を柔らかくしたらどうだろうか。 さて、腹痛も起こさず、五体無事でメールを書いているが、心配事がある。  ワニ皮のベルトやハンドバック見ると、親兄弟と思って懐かしい気持ちにな り摺り寄って行かないか心配だ。  特に気がかりなのは、バックを持った若い女性を見付けて秋波を送り、母親 の情愛を求めて付いて行かないとも限らない事だ。 チョン、チョン!

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