Part2 バンフとカナディアンロッキー

         3日目

バンフ(人口7000人)

くの店です。大橋巨泉」日本における参院議員選挙運動の最中である。バンフの町のとあるお土産店にそんなポスターがあった。苦笑した。なるほどここが彼の店なんだろう。
  カナディアンロッキーを代表する町バンフは標高1380m。北に聳えるカスケード山はバンフのシンボルである。東にはマリリンモンローの主演した「帰らざる河」のロケ地となったボウ滝が逆巻いている。とにかく綺麗な町である。綺麗に整備されたメインストリート、バンフアベニューはホテル、レストラン、スーパー、コンビニ、薬局等々が軒を並べる。ここを拠点の生活用品、活動用品ハイキングや登山必需品の店も沢山あって、ロッキーへのドライブや快適なリゾートライフの拠点となっている。夏は世界中から観光客が集まり、冬はスキーリゾートとしての人気が高い。


   5日目

レイクルイーズ

ナディアンロッキー観光の白眉、レイクルイーズは青緑色の摩訶不思議な色をした湖だ。この湖はビクトリア女王の娘ルイーズ王女にちなんだ名前だと言う。先住民のストニー・インディアンは「小さな魚の湖」と呼んでいた。人物名よりもこの方がマッチしていると私は思う。案内書には「宝石のような氷河湖とそこに移るビクトリア氷河はまるで一枚の絵」と書く。カメラを向けるとフレームに納まらない雄大さがあった。ちなみに、このビクトリア氷河の名前の由来は、ルイーズ王女の母親の名前から付けられている。さて、この摩訶不思議なエメラルドグリーンの色は、氷河が地表から削り取った細かい泥が湖に溶けているからだと言われている。正面に見える山はビクトリア山といい標高3464mだ。
 温泉の発見と大陸横断鉄道ルートの完成によって、カナディアンロッキーは未開の土地から観光地へと大きな変貌を遂げる。地元では「この美しい景観を輸出できないなら、観光客を輸入しよう」と叫んだ。


レイクルイーズ湖畔のリス

の国の動物たちは人間を恐れない。リス、エルク、カモメ、熊等々。
私が直接出会ったのは、熊以外のリス、エルク、カモメでしかないが、これらの生き物は、カメラを構えてそっと近づいても逃げようとしない。このリスの写真は湖畔でえさを食べている瞬間を1mまで接近して撮影した物である。神経質で逃げ足は速いのだが、脅す事さえしなければ、このようなポーズを捉える事も出来る。可愛い動物だ。
 この国では、国立公園内での不文律と言う物があって、確かこんな事だったと記憶している。 「ゴミを捨てない。動物にえさを与えない。動物に近寄らない」  
ゴミを捨てないことは、言うを待たずだが、
動物にえさを与えないのは、自分でえさを捉える能力を無くさないためであり、動物に近寄らないというのは、われわれ人間の自衛のためである。


アサバスカ氷河

サバスカ氷河はコロンビア大氷原から流れ出す無数の氷河の一つである。全長6000m幅1000mのこの氷河は現在年間15〜125mの速度で移動している。氷河が移動する際、岩塊も同時に動くために岩盤表面が削り取られていく。そのため山の斜面は切立ち谷間は広がる。この作用を氷食と呼び、それによって出来た谷を氷食谷と言う。この氷河の氷舌端は年々後退している。アサバスカ氷河の氷舌端は800年前に降り積もった雪からなるが、現在は150年前よりも1.5Km後退しているそうだ。


アサバスカ氷河上のスノーコーチ

ャスパー国立公園を流れる巨大な氷塊のアサバスカ氷河を観光客を乗せてスノーコーチ(雪上車)が約4Kmほどの氷河見物を楽しませてくれる。以前はキャタピラを装着していたが、氷河を削らないようにする為にタイヤに替えたと言う。この地点で、氷河の厚みが130mあると、信じられない事をガイドは言った。
 融けて一筋の流れとなって流れ下り、途中から氷河の底に向かって穴を開けながら真下に流れて行き
、やがてクレバスを作っていくことになる。
 この水はアサバスカ川に注ぎ流れ、やがて北極海に辿り着く。

 


 

LakePeyto

畔に咲く小さな黄色い花を手前に大きく取り入れて、バツクに山と湖を配してシヤッターを押した。いずれの湖も一様にエメラルドグリーンの美しい色に輝いていた。
 湖畔のみやげ物小屋には、白熊や狐等の毛皮が安く売りに出ていた。買ったところでワシントン条約に違反しているので、国内持ち帰りは没収される。安い買い物も高い買い物になる。

 


レイクルイーズ国道沿い河畔の宿

 

イクルイーズ国道沿いの町に点在する宿。バックの山頂が夕日に輝く頃、河畔の宿に明かりが灯る。庭でバーベキューをするカップル。部屋に灯を入れ寛ぐ家族。近くのコンビニで買い物をして帰ってくるシニアカップルの光景も楽しそうに写る。
  コンビニで好きな物を購入して部屋で食べるのも気楽で良い。なにより良い事にはコンビニには、チップが要らない。
  完全日没までのこの町最後の景観を堪能する。

 


   6日目

野生のエルク

 

夜宿泊したレイクルイーズの宿へ、早朝現地係員の出迎えが来てカルガリーの空港まで送ってもらった。その沿道になる国道沿いで出会った野生のエルク。野生とは言いながらも、何故か耳に識別ナンバー札が着けられていた。管理と調査のためであろう。 しかし、車が近づいても逃げようともしないで、悠然と草を食べていた。
 どうやら動物と人間との信頼関係は出来上がっているようであつた。

 

 


カルガリー空港

 

ペースシャトルの緊急着陸用飛行場にも指定されているカルガリー飛行場。
バンクーバーへ向かうエアーカナダ国内便を待つひと時。
山岳部のバンフ周辺では、山の影響でめまぐるしく天気が変る。しかし、飛行場のあるカルガリーの空は何時までも青々しかった。
 トロント空港で購入したフォーンカードは、カルガリーでは使えなかった。
 電話会社が違えば、フォーンカードも使えないのだろうか。

 パックツアーの最後の町、バンクーバーはカルガリーからカナディアンロッキーを西へ向けてひとっ飛び、弱1時間の旅である。 窓際の席を確保して、ロッキーの山々を見下ろして楽しむ。地上から、見上げて嘆息を発した山々を眼下見下ろすも痛快である。